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グルメ伊予

中山栗とは?栗ごはんと焼き栗で迎える愛媛・伊予の秋

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九月に入り、朝晩の空気が少しだけやわらぐころ。愛媛の直売所や青果売り場に、つやのある栗が並び始めます。

炊飯器のふたを開けたときに広がる栗ごはんの香り。紙袋から取り出した焼き栗を、まだ熱いうちに割る時間。栗は派手なごちそうではありませんが、食卓に秋が来たことをはっきり知らせてくれる食材です。

愛媛で栗といえば、伊予市中山町の中山栗が知られています。

食味がよく、大玉のものが多いとされる中山栗は、なぜこの土地で育ってきたのでしょうか。中山の風土と歴史、家庭での楽しみ方、そして2026年の旬の情報をたどります。

※掲載画像は、中山栗と愛媛の秋の食卓をイメージして制作したものです。

中山栗とは

中山栗は、愛媛県伊予市中山町で育てられている栗です。伊予市観光物産協会は、食味がよく大玉のものが多く、日本三大栗の一つといわれていると紹介しています。

中山町は松山市中心部から南へ進んだ山あいにあります。栗園が広がるのは、標高およそ200メートルから500メートルの地域。山の斜面と集落が重なり、季節がゆっくりと色を変えていく場所です。

「中山で採れた栗なら、すべて同じ」というわけではありません。品種や大きさ、収穫時期によって味わいや食感は変わり、伊予市の認定制度では中山栗が「ますます、いよし。ブランド」の認定品にも選ばれています。

大きな栗を育てる、中山の土と寒暖差

中山町の栗づくりを支えているのが、山あいならではの環境です。

伊予市観光公式サイトによると、栗が栽培される地域には、結晶片岩を母材とする肥沃な土壌が広がっています。山間部のため昼夜の気温差があり、降雨にも恵まれていることから、地質と気候の両面で栗栽培に適しているとされています。

栗は、実が落ちる秋だけ世話をすればよい作物ではありません。枝を整え、草を管理し、木の状態を見ながら一年を通して手をかけます。収穫期には、地面に落ちた栗を何度も拾い集める作業が続きます。

秋の短い期間に出会う一粒には、季節を待つ長い時間が詰まっています。

江戸時代から伝わる中山の栗

中山栗には、長く受け継がれてきた歴史もあります。

伊予市観光物産協会は、江戸時代に大洲藩主が三代将軍・徳川家光へ献上し、賞賛を受けたと伝わっていることを紹介しています。

現在の中山町は伊予市の一部ですが、かつて大洲藩の領地だった歴史をたどると、栗とこの土地の結びつきが見えてきます。

献上品として語られる一方で、栗は地域の暮らしにも近い存在です。ゆで栗、栗ごはん、甘露煮、菓子。特別な日の一品にも、いつもの食卓にも姿を変えながら、中山の秋を支えてきました。

栗ごはんを囲む愛媛の秋の食卓のイメージ

旬は九月から十月ごろ

伊予市のブランド資料では、中山栗の旬は九月上旬から十月中旬ごろが目安とされています。品種やその年の気温、天候によって前後するため、店頭に並ぶ時期や販売期間は毎年同じとは限りません。

早い時期の栗から、秋が深まるころに収穫される栗まで、時期によって品種も移っていきます。

見かけたときが、その年の栗との出会いどき。確実に購入したい場合は、直売所や販売店へ入荷状況を確認してから訪れると安心です。

栗ごはんにすると、秋が一日の献立になる

生栗が手に入ったら、一度は栗ごはんで味わいたくなります。

皮をむく作業には少し時間がかかりますが、米と一緒に炊き上げれば、それだけで秋の献立の中心になります。栗のほくほくした食感と自然な甘みがあるので、味付けは塩や酒などでシンプルに整えるだけでも十分です。

一度に使い切れないときは、まず販売者が案内する保存方法を確認しましょう。栗は農産物のため、収穫時期や保管状態によって日持ちが異なります。購入後は長く置いたままにせず、状態を確認して早めに調理するのがおすすめです。

もっと手軽に楽しみたい日は、ゆで栗や焼き栗を選ぶ方法もあります。皮を割りながら少しずつ食べる時間まで含めて、栗は秋らしい食べ物なのかもしれません。

中山へ出かけて味わう秋もある

中山栗の季節には、伊予市中山町の直売所や地域の店舗で、生栗や栗を使った加工品に出会えることがあります。

焼き栗、栗入りの菓子、甘露煮など、姿が変わると栗の食感や甘さの感じ方も変わります。ただし、収穫量や入荷状況によって販売内容は変動します。訪問前に各施設・店舗の公式情報を確認してください。

中山町は、栗だけを買って帰る場所ではありません。山あいの景色を眺め、少しひんやりした空気を感じ、旬のものを持ち帰る。その道のりも一緒に味わうと、中山栗は「名産品」から、その日の思い出へ変わります。

2026年は栗まつりと中山栗パフェも

2026年の「なかやま栗まつり」は、**9月23日(水・秋分の日)**に栗の里公園で開催予定です。

公式案内では、栗ひろい大会や栗のつかみどり、栗果実品評会、地域団体による出店などが予定されています。会場周辺は駐車が難しいため、臨時駐車場やシャトルバスの案内も事前に確認しておきましょう。

また伊予市では、2026年の中山栗パフェレシピコンテストで選ばれた三つの作品を、町内三店舗で商品化します。販売予定期間は10月1日から11月30日までです。

店舗ごとに提供数や定休日が異なります。パフェを目当てに訪れる場合は、営業日と当日の販売状況を公式情報で確認してください。

栗が並ぶ短い季節を楽しもう

一年中買える食材が増えた今も、生栗が店頭に並ぶ時間は長くありません。

手間をかけて栗ごはんを炊く日も、出かけた先で焼き栗を買う日も、秋の楽しみ方です。つやのある栗を見つけたら、今年は伊予市中山町の風土にも少し思いを寄せてみてください。

いつもの食卓に栗が一つ加わるだけで、愛媛の秋はぐっと近くなります。

参考資料