じゃこカツとは?じゃこ天に衣をつけて揚げた、南予のお惣菜カツ

南予の道の駅や蒲鉾店のショーケースをのぞくと、じゃこ天と並んで、衣をつけて揚げたカツが置いてあります。これが「じゃこカツ」です。
見た目は魚のフライですが、中身は肉でも白身魚の切り身でもありません。小魚を骨ごとすり身にしたじゃこ天に、衣をつけてもう一度揚げたもの。南予の練り製品文化から生まれた、惣菜のような一品です。
道の駅 伊方・きらら館で買ったじゃこカツ(2026年7月撮影) 撮影: キアラア / Wikimedia Commons CC0
じゃこ天とどう違う?
違いは、衣があるかどうかです。
じゃこ天は、すり身をそのまま油で揚げたもの。じゃこカツは、そのすり身(あるいは揚げたじゃこ天)にパン粉の衣をつけて揚げます。衣の層ができることで、外はサクッ、中はふんわりと、食感が二段になります。
味の土台は、じゃこ天と同じ小魚のうま味です。衣が油の香りと軽さを足してくれるので、魚の風味は残しつつ、より食べやすい味わいになります。農林水産省の「うちの郷土料理」でも、じゃこ天の食べ方のひとつとして「じゃこ天カツ」が挙げられています。
何をつけて食べる?
揚げたてなら、まずは何もつけずにひと口。そのあとで好みの味を足すのがおすすめです。
- ウスターソースや中濃ソース(いちばん多い食べ方)
- 辛子やマヨネーズ
- レモンやすだちを搾る
- 大根おろしと醤油であっさりと
魚のすり身なので、肉のカツより後味が軽いのが持ち味です。
家での使い方
冷めてしまったら、トースターやフライパンで温め直すと衣のサクサク感が戻ります。そのまま食べる以外にも、使い道はいろいろあります。
- パンにキャベツと一緒に挟んで、じゃこカツサンドに
- 刻んで卵とじにして、丼ものに
- 弁当のおかず(魚が苦手な子どもでも食べやすい)
- カレーやうどんのトッピング
肉のカツの代わりに使える、というのが南予らしい発想です。
どこで買える?
八幡浜市・宇和島市など南予の蒲鉾店や、道の駅の物産コーナーが定番です。道の駅 八幡浜みなっとのアゴラマルシェや、伊方町の道の駅 伊方・きらら館など、海沿いの施設ではじゃこ天と並べて売られています。松山のスーパーの練り物売り場や惣菜コーナーに並ぶこともあります。
店頭で揚げているところなら、揚げたてを買うのがいちばんです。持ち帰り時間が長くなるときは、保冷剤を頼んでおくと安心です。賞味期限と保存方法は商品ごとに違うので、買うときに確かめてください。
このページの下では、EHIME NOW に登録されているお店を紹介しています。営業時間や定休日は変わることがあるので、出かける前に各店の案内を確かめてください。
じゃこ天の歴史から
じゃこカツの土台であるじゃこ天は、宇和海に面した八幡浜市や宇和島市で発達した魚の加工品です。農林水産省の「うちの郷土料理」によると、宇和島藩史には1615年(元和元年)、初代藩主・伊達秀宗が故郷を偲んで仙台から蒲鉾職人を連れてきてつくらせたのが始まりとあります。宇和島では昔から魚のすり身の揚げ物を「天ぷら」と呼び、じゃこ天のように皮や骨ごと入ったものを「皮天ぷら」と呼んできました。
名前の由来は二つの説があります。底引き網でとれたいろいろな魚(雑魚)でつくったから「ざこ天」が転じたという説と、主な原料のはらんぼ(ホタルジャコ)に由来するという説です。いよ観ネットが紹介する宇和島の蒲鉾店でも、宇和海のハランボを皮と骨ごとすりつぶし、木枠で型押しして揚げる、と説明されています。
宇和島のおでんと、天ぷらカレー
農林水産省の解説には、じゃこ天の食べ方として、宇和島のおでんにはじゃこ天が必ずと言っていいほど入ること、肉の代わりにじゃこ天を使った「天ぷらカレー」が産地の家庭料理として定着していること、うどんの具にすること、そしてパン粉を付けて揚げる「じゃこ天カツ」が挙げられています。
つまり南予では、じゃこ天はそのまま食べる練り物であると同時に、肉の代わりに使う素材でもあります。おでんの具になり、カレーの肉になり、衣をつければカツになる。じゃこカツは、この土地の食卓でじゃこ天が果たしてきた役割の延長線上にある食べ方です。
参考にした情報
- 農林水産省「うちの郷土料理」じゃこ天(愛媛県)(食べ方として「じゃこ天カツ」が挙げられています)
- 道の駅 八幡浜みなっと アゴラマルシェ オンラインショップ(じゃこ天・じゃこカツの取り扱い)
- いよ観ネット「受け継がれる愛媛の郷土の味」(じゃこ天の原料と製法、販売店)
写真について
本文の写真は Wikimedia Commons の自由ライセンス作品で、写真の下に撮影者とライセンスを記載しています。特定のお店の商品写真ではなく、食べもののイメージをつかむための参考写真です。
