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グルメ八幡浜

塩パンは愛媛発祥?八幡浜・パンメゾンから広がったしょっぱくて甘い幸せ

いまでは全国のパン屋で見かける塩パン。その元祖が愛媛にある、と聞くと少し驚く人もいるかもしれません。

塩パンは、愛媛県八幡浜市のパン・メゾンで生まれたパンです。バターを巻き込んだ生地を焼き、表面に塩をきかせる。見た目は素朴なのに、外はパリッと、底はカリッと、中はもっちり。そこにバターの香りと塩気が重なるから、ひと口で「もう一個」と思わせる力があります。

鯛めしやじゃこ天のような昔ながらの郷土料理とは少し違います。けれど、塩パンは間違いなく愛媛発の現代ご当地グルメです。八幡浜の小さなパン屋から始まり、松前、東京、そして全国のベーカリーへ広がった、日常の中の愛媛の味です。

塩パンとは何か

塩パンは、バターのコクと塩のきいたシンプルなパンです。

名前だけ聞くと「しょっぱいパン」と思うかもしれませんが、魅力は塩気だけではありません。焼くと中のバターが溶け、生地の内側に空洞ができ、底の部分には溶け出したバターが回ります。その結果、表面、中、底で食感が変わります。

パン・メゾンの塩パンが強いのは、この食感の差です。軽く噛むと表面がほどけ、底の香ばしさが来て、最後にバターの余韻が残る。甘い菓子パンでも、重い惣菜パンでもない。朝食にも、おやつにも、ドライブの途中にも合うちょうどよさがあります。

愛媛のグルメとして見ると、この「日常に入りやすい」ことが大きな特徴です。観光で一度食べる名物というより、近くにあれば何度も買いたくなる味。だからこそ、全国へ広がる力があったのだと思います。

元祖は八幡浜のパン・メゾン

塩パンの発祥として知られるのが、八幡浜市のパン・メゾンです。

公式サイトでは、元祖塩パンは愛媛県八幡浜市のパン・メゾンで生まれたと紹介されています。日商 Assist Biz の記事によると、運営するハチキョーベーカリーは、もともと学校給食向けのパン製造や卸も行っていた会社。地域の暮らしに近いパンづくりの中から、塩パンは生まれました。

開発の背景には、夏場でも食べたくなるパンを作りたいという課題がありました。甘いパンや重いパンではなく、暑い時期にも手が伸びるパン。そこで、塩味とバター、もっちりした生地を組み合わせた塩パンが形になっていきます。

面白いのは、最初から大ヒットしたわけではないことです。見た目がシンプルだからこそ、最初はわかりにくい。けれど、食べた人の口コミで少しずつ広がり、八幡浜の魚市場や地元の人の買い食い、主婦層の口コミを通じて認知が伸びていったとされています。

つまり塩パンは、広告で一気に売れた商品というより、地元の日常に受け入れられてから全国へ届いたパンです。この順番が、愛媛のご当地グルメとしての説得力を強くしています。

なぜ塩パンはここまで広がったのか

塩パンが広がった理由は、わかりやすさと奥行きの両方にあります。

材料や見た目はシンプルです。パン、バター、塩。説明しなくても味の方向が想像できます。けれど、実際に食べると、表面の軽さ、底の香ばしさ、中のもっちり感があり、思ったより記憶に残ります。

また、塩パンは食べる場面を選びません。朝ごはん、昼の軽食、子どものおやつ、仕事の合間、ドライブの休憩。甘すぎず、重すぎず、でも満足感がある。地元の人にも観光客にも届きやすいパンです。

もうひとつ大きいのは、真似しやすそうで、実は店ごとの個性が出ることです。全国のパン屋で塩パンが作られるようになっても、焼き方、塩、バターの量、底のカリッと感、生地の引きで味は変わります。だから「元祖を食べてみたい」という気持ちも残ります。

近年は、東京や海外での塩パン人気も話題になっています。東洋経済オンラインでは、元祖塩パンの人気や広がりが紹介され、パン・メゾンでは多い日で大きな販売数になることも取り上げられています。八幡浜で生まれたパンが、県外の人にとっても目当てになる時代になっています。

愛媛で食べるならどこへ行く?

塩パンを愛媛で食べるなら、まず名前が上がるのはパン・メゾンです。

パン・メゾン 八幡浜本店

発祥の地として訪れたいのが、八幡浜本店です。

八幡浜は、ちゃんぽんや魚市場、港町の雰囲気も楽しめるまちです。塩パンだけを目当てに行ってもいいですが、八幡浜ちゃんぽん、どーや市場、佐田岬方面へのドライブと合わせると、南予の小旅行として組み立てやすくなります。

塩パンは焼きたての香りが魅力なので、買ったらできるだけ早めに食べたいところです。車なら、海沿いの景色を見ながら少し休憩するだけでも、八幡浜で食べる意味が出ます。

パン・メゾン公式サイト

パン・メゾン 松前店

松山近郊から行きやすいのが松前店です。

八幡浜までは少し距離がありますが、松前なら松山市内や伊予市方面からも立ち寄りやすく、買い物やドライブの途中に組み込みやすい立地です。愛媛旅行で松山中心の予定を組む人にも、現実的に立ち寄りやすい選択肢になります。

本店と松前店を比べる楽しみもあります。発祥地の空気を味わうなら八幡浜、旅程に入れやすいのは松前。どちらも「愛媛で塩パンを食べる」入口になります。

東京の塩パン屋 パン・メゾン

愛媛県外で食べるなら、東京の塩パン屋 パン・メゾンも選択肢です。

これは愛媛の記事としても大事なポイントです。愛媛の味が県外に出て、そこでまた新しい人に知られていく。東京で塩パンを食べてから八幡浜を知る人もいるはずです。

県外店舗は、愛媛への入口でもあります。「これが八幡浜発祥なのか」と知れば、次に愛媛へ行く理由がひとつ増えます。

八幡浜で食べる塩パンは、なぜ特別なのか

同じ塩パンでも、八幡浜で食べると少し意味が変わります。

港があり、魚市場があり、ちゃんぽんがあり、佐田岬へ向かう道がある。八幡浜は、愛媛の中でも海と暮らしの距離が近いまちです。そのまちで、地元の人が日常的に買ってきたパンを食べる。これは単なる「有名店巡り」ではなく、土地の生活に触れる体験です。

塩パンは、派手な盛り付けも特別な食材も必要としません。だからこそ、食べる場所の空気が効きます。焼きたてを手に持って、少し熱いなと思いながらかじる。その素朴さが、八幡浜の旅とよく合います。

八幡浜ちゃんぽんを昼に食べ、パン・メゾンで塩パンを買い、帰り道にもう一個食べる。そんな小さな流れだけで、八幡浜の食の印象はかなり濃くなります。

塩パンは、愛媛発の現代ソウルフード

愛媛のグルメには、長い歴史を持つ郷土料理がたくさんあります。宇和島鯛めし、松山鯛めし、じゃこ天、さつまめし、麦みそ、いもたき。どれも土地の暮らしから生まれた味です。

塩パンは、その並びにそのまま入れると少し新しい存在です。伝統料理ではありません。けれど、地元の店から生まれ、地元の人に食べられ、口コミで広がり、県外の人にも知られるようになったという意味では、かなり愛媛らしいご当地グルメです。

しかも、観光客だけのものではありません。朝ごはんにもなるし、子どものおやつにもなるし、仕事帰りに買って帰ることもできます。日常に入れる強さがあります。

塩パンが面白いのは、「愛媛らしさ」を大げさに語らなくても、ちゃんと愛媛の話になるところです。港町のパン屋から生まれた、しょっぱくて甘いパン。八幡浜から全国へ広がった、小さな幸せ。

愛媛の食を知るなら、鯛めしやじゃこ天だけでなく、塩パンもぜひ覚えておきたい一品です。

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